クリプトスポリジウムは飲料水から感染する原虫です。加熱殺菌が可能ですが「耐塩素性病原微生物」であるため、塩素消毒をしても死滅しません。そのため、水道水がクリプトスポリジウムに汚染されると集団感染が発生する危険性が高まります。

投稿日:2020年10月15日 更新日:

国内最初の集団感染は1994年に神奈川県で発生しました。以降も件数は少ないものの全国で集団感染が報告されています。

クリプトスポリジウムは塩素で死滅しないため、塩素で病原体を消毒している水道水にひとたび混入してしまうと、その水道水を利用する地域で集団感染のリスクが高まるのです。

なお、全国の浄水施設からクリプトスポリジウムが検出されることはありますが、給水停止などの措置が行なわれているため、近年は集団感染が起こっていません。

クリプトスポリジウムに汚染された飲料水から感染します。

クリプトスポリジウムはヒトや動物の腸管に寄生する原虫で、感染した人や動物の糞便を介して汚染が広がります。国内での集団感染は水道の飲料水やプールなどの施設を介して起こっています。

クリプトスポリジウム症の主な症状は水様性下痢です。さらさらした水分の多い下痢が特徴で、そのほか、腹痛、嘔吐、軽い発熱などの症状を伴うこともあります。

クリプトスポリジウムは加熱殺菌が有効です。

-典座教訓の実践/食品衛生学
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