「われわれは時間とか人生というものを、過去・現在・未来と、とかく直線的に考えがちですが、円環的えんかんてきに考えてはどうかな」
これは余語翠巌老師よごすいがんろうしがおりおりに語られたお言葉である。老師に円相と、賛として「無始無終円同大虚」──無始無終、円まどかなること大虚たいきょに同じ──と書いて頂き大切にしている。
書いた円相には始めと終わりがあるが、円そのものには始めも終わりもない。ということは云いかえれば、どの一点をおさえても終着点であると同時に出発点でもあるということにもなる。今日只今の私の姿は、これまでの何十年かの人生をどう生きてきたか、その生き方の総決算の姿であると同時に、これからの人生の出発点でもある、というのである。その今をどう生きるかで、過去を生かすこともでき、また殺してしまうことにもなる。同時に、未来を開くも閉じるも、今日只今の生き方にかかるというのである。(リンク先より)