私は11歳から禅寺に弟子入りをして、そこで師匠から教えられたこと、そしてインドに何回も行き、会報に書いた通り、釈尊に対して何か恩返しをしなくてはいけないということで始めたのがこのインドマイトリの会です。
私はインドに行くたびに、大勢の子どもたちの前に立って、「みなさん、私は日本からきた水野梅秀です。この学校を建てさせていただきました。どうか、この学校でよく勉強して立派な大人になって、社会の仕組み、矛盾に、あなたがたが真剣に立ち向かって、この国の貧困と差別を無くすよう、がんばってください。そしてインドを豊かな平等な国にしてください。それがあなたがたの仕事ですよ。政治家にはできません。苦しい者が立ち上がってこそ、平等、差別がなくなるんです」と話しております。
みなさん、インドというと遠い国、私たちが行けない国と思いがちです。昔はそうでした。唐天竺といって夢の国のようでしたが、今は成田空港から9時間でデリーに到着いたします。
州の数は昔は17あったが今は25です。面積は日本の9倍、人口は私が30年前に行った頃は7億人でしたが、最近10億人を超えています。25州に分かれていて文字も言語も違います。州によって教育方針がみんな違います。中央政府の行う仕事は、国防と外交と警察の一部です。教育の問題、警察の問題はすべて州政府に任されております。豊かな州はいいですが、貧困な州もあります。ウッタルプラデシュ州、(地図を指差して)こっちがビハール州、これらの州は貧しく、税金があまり入ってこないんです。でもこの州は仏教徒にとって非常に大事な州です。お釈迦様はこの州で悟りを開かれました。
(第三分科会「平和・人権・憲法」講演(2005年)資料より編集して掲載)
※2020年現在、インドマイトリの会の活動は休止しています。