卵黄の色が黄色いのは、飼料にカロテノイド色素が含まれているためです。
鶏の飼料にはとうもろこしを多く使用しています。とうもろこしに黄色~だいだい色の色素「カロテノイド色素」が含まれているため、カロテノイド色素をとり続けていることで卵黄が黄色くなります。
ちなみに、卵黄は濃いオレンジ色のほうがおいしそうに見えるので飼料に赤いパプリカ色素を入れたり、あえて卵黄が白い卵を産ませるために、とうもろこしではなく米を与えたりすることもあります。
卵白は、卵黄の周りにある盛り上がった部分の「濃厚卵白」とその周りの水分が多い「水溶卵白」で構成されています。
卵白が新鮮なときは濃厚卵白の粘度が高いので、濃厚卵白がこんもりと盛り上がっています。
しかし、鮮度が低下すると濃厚卵白が減って水溶卵白が増えていきます。そのため、古い卵は全体的に水っぽくなって割ったときに広がりやすくなります。
これは、時間がたつにつれ濃厚卵白のpHが上昇し、濃厚卵白のたんぱく質の粘度が低下するために起こっている現象です。
卵白には「リゾチーム」というたんぱく質が含まれています。
このリゾチームは優れた殺菌作用を持つ酵素としてはたらき、卵が菌に感染するのを防いでいます。
菌は細胞壁を壊されると、活性化できなくなり死滅します。卵白のリゾチームが菌に触れると、リゾチームの溶菌作用によって菌の細胞壁が溶けるので、菌は死滅してしまいます。