じゃがいもの主成分はでんぷん(炭水化物)で、カリウムやビタミンB1やB2、ビタミンCが含まれます。
じゃがいもの種類により特性が異なるため、種類に応じた調理が必要です。
じゃがいもに含まれるペクチン(多糖類)は、じゃがいもの細胞どうしをつなぎ合わせる役割をしています。
このペクチンが水溶化することで細胞壁が壊れて煮崩れしやすくなります。
また、じゃがいもは品種や貯蔵の状態によってもでんぷんの含有量が異なり、
でんぷんの多いじゃがいもは粉質性でほくほくして煮崩れしやすく、
でんぷんの少ない粘質性のじゃがいもはねっとりして煮崩れしにくい特徴があります。
・芽、緑化した部分に有毒な「ソラニン」「チャコニン」というアルカロイドが含まれるので、取り除く必要があります。
・じゃがいもには消化酵素ポリフェノールオキシダーゼが含まれるため、切った断面が空気に触れることで色素成分となるポリフェノールと反応して、茶色く変化してしまいますが、これを「褐変(かっぺん)」と呼びます。空気に触れないよう水に漬けることで褐変を防ぐことができます。
・じゃがいもに含まれるアミノ酸の一種であるチロシンが空気にさらされると、チロシナーゼという酵素の働きで、メラニン色素を生成します。これも同様に褐変の原因です。
・強い抗酸化作用のあるポリフェノールの一種、クロロゲン酸も含まれており、食事により発生するガン細胞の生成を抑える働きがあります。こちらも同様に褐変の原因です。
・粉質系の男爵いもはアメリカ、粘質系のメークインはイギリスが原産地といわれ、粉質系と粘質系を併せ持つ中間品種もあります。
・男爵いも、キタアカリなどは、でんぷん質が多く、ほくほくしていて、マッシュポテト、ポテトサラダ、粉ふきいもに適しています。
・メークイン、インカのめざめなどは粘質ででんぷんが少なくねっとりしているので煮崩れしにくく、煮物に適しています。また、茹でた後に水気をとばしても、あまり粉がふきません。
・じゃがいもは、加熱中断後に再加熱すると組織が硬化することがあります。再加熱後に硬くなったいもはごりいもとも呼ばれます。
・じゃがいもは、水煮したものより牛乳で煮たものの方が煮崩れしにくく、硬くなります。これはじゃがいもに含まれるペクチンが牛乳中のカルシウムと結合して組織が壊れにくくなるからです。
・じゃがいもに含まれるビタミンCはリンゴの約4.7倍で、でんぷんによって保護されているため、加熱調理しても野菜類に比べ損失が少ないです。
・じゃがいもに含まれるカリウムは水溶性のミネラルで、煮たりゆでたりすると水に溶け出します。調理の際は、電子レンジや蒸し器で加熱すると損失を少なくすることができ、煮汁ごと摂取する料理も良いでしょう。カリウムには高血圧予防が期待できます。
・じゃがいもの保管は、暗くて涼しい、10℃程度の通気性のよい場所で保存します。
・20℃以上になると、発芽、腐敗しやすくなり、太陽光や室内の蛍光灯でも影響します。