お師匠(水野梅秀)さんは1970年前後にインドの仏跡を巡拝して大変感動したと何度も語っていました。それ以来、30人から100人の人たちを連れて毎年インドに行くようになったのですが、何故、そんな多くの人たちを連れていけたのかというと、曹洞宗の観光協会を運営していた一人だったからです。その観光協会自体は色々あって民営化(曹洞宗管轄ではなくなった)され、お師匠さんは社長、会長を歴任していくことになります。
その名称はBS観光です。現在でも全国各地に拠点があり、アショカツアーズとも呼ばれます。「BS」の由来は、お師匠さん曰く「仏教・曹洞宗のB・S」だそうです。格好良く言えば「Buddhist Sightseeing 」とも考えられますが、前者の発想の方が観光協会の成り立ちをよく表しているなと思いました。
それで、毎年インドに行くようになって、そのうち、師匠のお骨を抱いて参加される若いお坊さんたちが現れるようになったらしいのです。「死んだらお釈迦様のいたインドに納骨して欲しい・・・」そんな願いは昔の日本でもあったかもしれませんが、ようやく叶えることができる時代になったのでしょう。そこで、平成2年にクシナガラにあるお釈迦様の荼毘塚から程近い場所に涅槃苑という納骨堂を建立しました。
2000年2月15日(お釈迦様が涅槃に入られた日)に私が撮った涅槃苑の写真を最後に掲載しておきます。内弟子時代にパソコンが壊れ、ある時期より前の貴重な画像データが手元に残っていないので、プリントした写真からデータ化したものです。特に涅槃苑の画像は寄付をいただいた日本全国の寺院名が彫られた石柱なども撮ってあったので、もう一度確認しておきたかったなという想いは正直あります。