卵白は、卵黄の周りにある盛り上がった部分の「濃厚卵白」とその周りの水分が多い「水溶卵白」で構成されています。
卵白が新鮮なときは濃厚卵白の粘度が高いので、濃厚卵白がこんもりと盛り上がっています。
しかし、鮮度が低下すると濃厚卵白が減って水溶卵白が増えていきます。
そのため、古い卵は全体的に水っぽくなって割ったときに広がりやすくなります。
これは、時間がたつにつれ濃厚卵白のpHが上昇し、濃厚卵白のたんぱく質の粘度が低下するために起こっている現象です。
卵白には「リゾチーム」というたんぱく質が含まれています。
このリゾチームは優れた殺菌作用を持つ酵素としてはたらき、卵が菌に感染するのを防いでいます。
菌は細胞壁を壊されると、活性化できなくなり死滅します。
卵白のリゾチームが菌に触れると、リゾチームの溶菌作用によって菌の細胞壁が溶けるので、菌は死滅してしまいます。
・鶏卵は、割ったときに卵黄と卵白が広がります。鮮度が低下すると、炭酸ガスが散失し、濃厚卵白のたんぱく質の粘度性が低下すするため、水っぽい状態になって広がります。
・砂糖の添加により泡立てた卵白やクリームの泡を安定させることができます。
また、油脂が混ざっていると卵白の泡立ちが悪くなります。
・卵白アルブミン(オボアルブミン)は、単純たんぱく質です。水溶性で、熱に固まりやすい性質です。
・卵白は60℃から固まり始め、80℃以上で完全に凝固します。
(なお、卵黄は65℃から固まり始め、75℃以上で完全に凝固します。)
・新鮮な鶏卵のpHは7.5~8.0くらいですが、時間が経過するにつれpHが8.5~9.0くらいまで高くなります。
・淡雪かんを作るためには、寒天液を少し冷ましてあら熱を取り、60℃くらいになってから泡立てた卵白と混ぜ、型に流し込んで固めます。
なお、寒天液がそれより熱いうちに卵白を混ぜると、卵白が固まって分離してしまい、また、冷まし過ぎても、卵白を加えた時に温度が下がって混ざりません。
・スープのあくとり時に用いる卵白は、沸騰させずにスープに加えて弱火であくを吸着させるように静かに煮て、最後に固形部分を取り除くと透明なスープになります。
これは、卵白のタンパク質の吸着性と熱凝固性を利用したものです。