余語翠巌 水野梅秀

朝・夕のお経

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お寺では朝の坐禅を終えた後、本堂で朝課(ちょうか)を行ないます。同様に夕方には晩課(ばんか)を行なっています。基本的な朝課・晩課の流れは、永平寺を本寺とする寺院、總持寺を本寺とする寺院など、大本山にならった構成になっています。

梅秀師匠のもとでの小僧生活で、朝課・晩課の基本から教わったのですが、師匠いわく「余語翠巌師匠に教えられた通り教えている」とのことで、とても厳しいものでした。最近では珍しいことだと思いますが、三者とも親子関係ではない為、甘えはお互いに許されません。

師匠いわく「弟子がいるから真面目にやらなくてはいけなくて大変なんだよ」と言うものだから、手を抜いてもらって構わないと本音では思いながら、意地になって、真剣に向き合っていたものです。

朝課・晩課の中で、大本山にならった構成ではない部分もありました。途中で、正法眼蔵や正法眼蔵随聞記などの祖録(そろく)や仏典の単行本を読む時間がありました。一緒に読めるものは声に出して、一緒に読むのが難しいものは一定時間の黙読を行ないます。他の寺院でこれを行なっていることはあまり聞きません。

しかし、正法眼蔵や正法眼蔵随聞記などの祖録(そろく)や仏典の単行本を読む時間があったことで、仏教への理解が進んだのは言うまでもありません。

お経はお釈迦様の言葉がまとめられているのですから、その意味が分かることが大事です。お坊さん自体が丸暗記しただけで、意味を知らないのであれば、誰も救われません。

私は朝課・晩課のお経はお釈迦様の言葉を復習している時間だと思っています。「私はこのようにお釈迦様の教えを聞きました」ということを弟子同士で確認する作業が朝課・晩課だと思っています。

余語翠巌 略歴
水野梅秀 略歴

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