豆類の調理について

投稿日:2020年10月16日 更新日:

乾燥した豆は表皮が固いので、そのまま調理しても柔らかくなるまでに時間がかかります。
そのため、水に浸漬して吸水・膨潤・軟化させてから調理します。
(吸水に要する時間は、豆の種類、温度によっても変わります。)

・大豆の初期の吸水速度は、小豆より早いです。
小豆は種皮が硬いため、最初の4時間は、ほとんど吸水しません。

・乾燥した大豆を水に浸漬した場合、最低5〜6時間必要で完全に吸水するまでに16時間以上かかり、
十分に浸漬した大豆はふっくらと膨らみ重量や容積ともに乾燥時の2倍になります。

・大豆は組織が硬いので煮えるのに時間がかかりますが、水に重曹や食塩を加えて浸漬させると、早くやわらかく煮えるようになります。
これは、アルカリ(重曹)や塩の作用で大豆に含まれるグリシニンというたんぱく質が分解され、軟化しやすくなるためです。

・小豆は吸水に18時間以上かかります。ただし、小豆は水に長時間つけると表皮が破れる「銅割れ(銅切れ)」が起こりやすくなるので、水に浸漬せずすぐ火にかけて加熱します。

・赤飯には小豆ではなくささげを使います。(理由は、小豆に起こりやすい「銅割れ(銅切れ)」が武士の切腹を連想させるためで、縁起をかついでささげを使う、とも言われます。)

・小豆は、でんぷんが多いため、皮さえ柔らかくなれば、豆はすぐに柔らかくなります。
このため、浸漬する必要はありません。

・小豆は、最初に数回ゆでこぼして、渋切りを行います。小豆には、タンニンという渋み成分が含まれています。
小豆を水から茹で、沸騰させたあと、ゆで汁を捨てて、新たに水を加えることで、小豆の渋みを除去します。

・黒豆を煮るときは、水煮をせず初めから水に砂糖、しょうゆなどを加えて煮ます。
砂糖は一度に全量を加えず、数回に分けて加えていきます。
黒豆がしわになるのを防ぐには、常に豆が調味液にひたるようにして煮ることが大切です。

-典座教訓の実践/調理理論
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