『一夜示して云く、大宋の禅院に麦米等をそろえて、あしきをさけ、よきをとって飯等にする事あり。
是れをある禅師云く、「たとひ我が頭を打ち破る事七分にすとも、米をそろうる事なかれ。」と、頌に作って戒めたり。』
(『正法眼蔵随聞記』53 より)
麦や米を品質によって分けることはあると思いますが、続けて「ただ有るにしたがいて、よければよくて食し、あしきをもきらわずして食すべきなり。」と示されています。現代もこのような考え方は共感されるものと思われます。
麦芽はウイスキー、ビール、パンなどの製造に用いられます。良いものだけで作られた製品もありますが、あえて無選別のもので作られた製品を選ぶ人も多くなってきているのではないでしょうか。