冷凍食品は有害微生物が増殖できない-15℃以下に保ったものです。
冷凍食品には、解凍してから調理するものと解凍せず凍結したまま調理するものがあります。
基本的に、生の食品は解凍してから、調理済みの食品は凍結したまま調理することで食品の味を保つことができます。
・解凍した冷凍食品は損傷した細胞からドリップ(水分)やうま味成分が逃げやすいため、再冷凍すると品質が低下してしまいます。
・食肉は、低温解凍がもっとも効果的で、肉の中心と表面部分の温度差を小さくすることで流出するドリップを抑えられます。
・真空パックされている魚の切り身は袋から取り出さず、袋の上から流水をかけて解凍します。
冷凍した魚に直接水をかけるとうま味が流れ出てしまいます。
・調理済食品は冷蔵庫や氷水で低温解凍するか、もしくは高温で一気に加熱して調理します。
・ミックスベジタブルは、食味を保つため凍結したまま加熱します。ミックスベジタブルの調理方法はフライパンに油を引いて炒めるか、熱湯に入れて温めるか、お皿に盛りラップをかけて電子レンジで温めます。
・ハンバーグは解凍しないで、蒸すことで中まで加熱することができます。また、ハンバーグを焼く場合は前日ぐらいに冷蔵庫に移して低温解凍させます。
・緩慢冷凍(かんまんれいとう)すると食品中の水分が大きな氷晶になり、解凍する時にドリップ量が多く出て美味しさが失われます。
ドリップ量を少なくするには急速冷凍する必要があります。
・油脂は冷凍保存をしても酸化が進みます。
・パーシャル保存は、最大氷結晶生成帯の-1~-5℃ではなく、
微凍結するだけの-3℃で保存するため、凍結で細胞が傷つくのが防げます。
そのため、冷凍より鮮度を保ったまま保存することができます。
・冷凍ほうれんそうは軽く加熱(ブランチング)されてから冷凍してあり、生鮮物に比べ加熱調理時間が短縮できます。
【ブランチング】
野菜を洗浄後にさっと湯通ししてから冷凍する方法。
加熱によって変質や変色の原因となる微生物を不活性化させ、
また、生のままだと酵素が野菜の劣化を進めるため、
加熱によって酵素を不活性化させてから冷凍します。
こうすることで冷凍野菜の変色や食感の悪化、
組織が破損するのを防ぎます。
加熱は最低限とし、急速冷凍するのがポイントです。