植物性食品の色について

投稿日:2020年10月16日 更新日:

植物性食品の食材の色は、pHや調理方法などの条件によって変化します。

・「とさかのり」は原藻時、赤褐色または茶色をしています。
とさかのりを石灰水に通すと赤色に変化します。
これは、とさかのりに含むフィコシアニンという色素が、アルカリ性の条件下で赤色に変化するためです。
この変化は、日本料理や寿司の飾り付けなどでよく見られます。

・紫キャベツは、酢水でゆでると赤色になります。
紫キャベツに含まれるアントシアニンという色素が酸性条件下で反応し、赤色を呈します。
そのため、酢水でゆでることでキャベツの色が鮮やかに変化します。

・ほうれん草を酢水で茹でると黄褐色に変色します。
ほうれん草の色素であるクロロフィルは酸性で処理するとフェオフィチンというものになります。
クロロフィルにはマグネシウムイオンが含まれており、茹で時に酸でマグネシウムがはずれ、
水素イオンが入ることでフェオフィチンができます。

クロロフィルの性質として、アルカリや塩に強く、酸や熱に弱いです。
ほうれん草などの青菜を茹でる際は、塩を加え茹でた後に冷水で締めるという方法をとると鮮やかな緑色が保たれます。

・青菜の色を保つ主な茹で方法
▶塩を加える
▶茹でた後、冷水または氷水にさらす
▶重曹で茹でる
▶銅鍋で煮る

・れんこんは鉄鍋でゆでると、通常のゆで方よりも黒くなる傾向があります。
これは、鉄鍋の鉄分がれんこんに含まれるタンニンなどのポリフェノールと反応して、
れんこんの色素を変化させるためです。

れんこんを白く茹でるには、茹でる際に「塩」「レモン汁」「酢」を入れます。
特に酢やレモン汁は、酸性の条件を作り出し、蓮根の色素を安定させる効果があります。
これらで茹でた後氷水などで急冷すると蓮根の色がより鮮やかに白く見えます。

-典座教訓の実践/調理理論
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