人間の幸せはどこにあるか。貧困だから不幸せだとは思えません

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インドというと、金持ちと貧困者が多い国だと思われるでしょうが、私はインドで金持ちに接する機会がありません。特に農村においては貧困な家庭がいっぱいありますが、子どもたちの顔をみていると決して不幸な顔をしておりません。生き生きしています。インドは大家族制度ですので、小さい家族で20人、多い家庭は100人ぐらいいます。仲良く暮らしていて、さびしくないんです。日本のような孤独な老人はあまりおりません。そう考えてみますと、人間の幸せはどこにあるか。貧困だから不幸せだとは思えません。

それから、インドにはカースト制度が民衆の間には残っています。1950年インドが独立した時に素晴らしい憲法ができました。その憲法では、
「国は国民に対して、宗教、人種、カースト制度、生まれによって差別を付さないものとする。すべての国民が国家公務員任命にあたって平等の機会を与えられる。アウトカースト制度は廃止される。そのならわしは禁止される。アウトカースト制による差別は法律で処罰され犯罪となる。国民は宗教、人種、カーストにより国の教育施設で学ぶことを拒否されることはない」となっています。しかし、実際はその神通りいっていないんです。

(第三分科会「平和・人権・憲法」講演(2005年)資料より編集して掲載)

水野梅秀 略歴

-水野梅秀



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