曹洞宗 正伝の仏法

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水野梅秀

随聞記

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内弟子生活をしている時は毎朝休みなく朝課(朝のお経)を水野梅秀師匠と2人で行っていました。大本山の總持寺や永平寺では5時や6時に始まるような行事ですが、境内は住宅地から程近いということもあり、7時開始です。お経を始める前に、整理整頓をしてロウソクに点火、その火で線香を決まった本数つけて香炉に決まった本数を立てていく。

7時からお経が始められるよう、準備を整えていき5分前くらいに殿鐘を打ち出す。準備が整いましたとお師匠さんに知らせる鐘を等間隔で鳴らす。これを殿鐘三会(でんしょうさんえ)と言うんですが、2人だけでもやっていました。一会目、二会目の打ち上げの合図はお師匠さんが袈裟を付ける合間に行っているようでした。たまに、なかなか合図がなくて殿鐘が7時を過ぎても終わらないこともありましたが、何があろうと朝課は行うというのが暗黙のルールでした。

他のお寺ではどうなのか知りませんが、お経の合間に正法眼蔵や正法眼蔵随聞記などを一緒に音読しました。はじめの内は読むのが難しかったものの、何度も読む機会があったため、読めるようになったのは良い経験でした。ちなみに、声を合わせることは難しいので、とにかく同じところをよむような感じでした。お師匠さんも大師匠の余語翠巌さんと同じように読んでいたのでしょう。

正法眼蔵は道元禅師の書き残したもの、そして、正法眼蔵随聞記は祖道元禅師の2歳年長の弟子で永平寺2世である孤雲懐奘禅師が約20年間にわたり道元禅師に随い聞いた話を中心にまとめたものです。名が残るお坊さんというのは弟子が師匠のことを言い伝えているから名が残るということで、弟子が頑張ったから名が残っているということをお師匠さんはよく言っていて、「お前さんが私のことを書き残せば随聞記になる」ということを正法眼蔵随聞記を読んでいる時に話していました。

正直なところ、住職でありながら市の仏教会会長やBS観光の社長や会長を歴任し、インド・クシナガラに涅槃苑を建立し、不就学児童支援のインドマイトリの会の活動、ロータリークラブの活動などをしていたお師匠さんにとって、私が書き残すまでもなく名前が残ると思っていました。最近、調べたいことがありお師匠さんの名前を検索してみると、その情報の頼りないことに驚きました。

随聞記と語るには程遠い内容ですが、この文章を書いていくことで名前が残るのであれば弟子としては務めを果たさなければと思います。

-水野梅秀



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